ウェブの中の愛すべき猿! そいつは Snow Monkey

本記事は、 Snow Monkey アドベントカレンダー 2018 の21日目の記事を、当ウェブサイトをリニューアルする際に再編集したものです。

本記事で語る Snow Monkey とは?

ブリエ

Snow Monkey って、長野県の地獄谷野猿公苑じごくだにやえんこうえんの温泉に浸かる世界中にも愛されている日本でも珍しい可愛いお猿さん…のことですよね?

テネーブル

合ってはいます…。しかし、本記事で取り上げるSnow Monkeyとは、そのSnow Monkeyではありませんよ?

そうです。本記事で語る Snow Monkey とは、地獄谷野猿公苑のお猿さんのことではありません。長崎で活動されているフリーランス「モンキーレンチ」の キタジマ タカシ と言う方が開発されている WordPress(ワードプレス)のテーマ&プラグインをはじめとしたプロジェクトを指しています。

Snow Monkey – 公式ウェブサイト

Snow Monkey との出合いを振り返る

本記事では、最初に Snow Monkey との出合いから今までを振り返ってみます。

Snow Monkey のサブスクリプションをしたキッカケ

Snow Monkey は元々は買い切りの商品でしたが、現在はサブスクリプション(継続課金)のサービスとして提供をされています。

買い切り商品の方がサブスクリプションサービスよりお得に感じてしまう性格の「Not Wiz」は、普段からサブスクリプションにあまり良いイメージを持っていませんでした。その為に Snow Monkey をサブスクリプションすることを決定したのも、Snow Monkey がサブスクリプションとしてサービス提供を開始されてからずいぶん後のことでした。

WordPress の大きな変化が、すべてのはじまり

2018年初頭の頃は、海外のテーマを多く販売しているウェブサイト「Theme Forest」で購入した幾つかの海外テーマを使用してウェブサイト制作を行っていました。使用していた海外テーマに対しては、当時は不安も不満もほとんどありませんでした。ショートカットコードも多く、記事もクラシックエディターで装飾しやすくカスタマイズされていたこともあって当時では楽だったのを覚えています。その為に、テーマ変更をすると言うことも、その時点では思ってもいなかったことでした。

Not Wiz では、主にスマートフォンアプリケーションを制作することが多いので、そのスマートフォン用のアプリケーションの紹介サイトや事前登録・ユーザーデータの連動など、アプリケーションとのデータ連動を REST API という仕組みを使ってできるだけでもよかったのです。

そんな軽い気持ちで、スマートフォンアプリケーションと WordPress でのウェブサイト制作を行っていた 2018年07月 くらいのこと。WordPress 5.0 と ブロックエディター(Gutenberg) の発表がありました。その発表の内容は、ウェブニュースの記事でも「新時代がやってきた!大きく変わっていく WordPress のエディター画面」と見出しに取り上げられるくらいの大きな出来事になっていました。

ブロックエディター(Gutenberg) が、実際にプラグインとして公開された時には、Not Wiz のメンバーも興味津々。早速、インストールをして試してみたのです。すると「これが 次の WordPress のエディター?今までと全然異なるじゃないか!」と言う感想です。本当にエディター画面が今までとは全く別のカタチに変更されていたのでビックリしました。

そして、その翌月の 2018年08月 にも突如、Not Wiz で使用していた海外テーマの開発企業から大きなお知らせが届きました。WordPress 5.0 対応やブロックエディター(Gutenberg)対応を行わないことの発表のお知らせだったのです。発表に納得のいかないユーザーも居ました。しかし、サポートは徐々に放置されていく状態になっていきました。Not Wiz では、このままサポートが放置されていくような海外テーマを使用して WordPress でのウェブサイト制作を行なっていくことに不安を感じていったのです。

将来的なサポートを望めないまま、海外テーマをカスタマイズし続けていくこと、そう言ったテーマを使い続けて業務することで、いつかはクライアント先に迷惑を掛けてしまうこと。そうした問題を早期解決する為にも、将来的なサポートや WordPress 5.x に対応を予定している、またブロックエディターに対応されると言ったテーマへ変更することを検討しました。

検討をしていく中、海外のサービスやテーマでは、英語でサポートして欲しいことを明確に伝えるのは難しい問題がありました。その為にも、今後は国産の日本語サポートがあるテーマを使う方が良いだろうと言う考えで、国産の良質なテーマ探しを開始しました。

サブスクリプションに躊躇した理由ワケ

最終的に、Snow Monkey をサブスクリプションするようになったのは、2018年12月頃でした。本記事が Snow Monkey アドベントカレンダー 2018 の 21日目の記事として書かれた何日か前です。Word Press 5.0 が公開されて間もない頃でした。何故、そんなにも躊躇してしまっていたのでしょうか?

躊躇していた一番の理由は、ずっと「ブロックエディターって使いにくいのでは?」と言うイメージを持っていたからです。

ブロックエディター(Gutenberg)がプラグインとして公開された当初は、公式以外のブロックはありませんでした。公式で用意されていたブロックの数も幾つかの標準的なブロックしかありませんでした。その為、ほとんど標準的なブログテキストしか書けないと言う状態でした。それが理由に「このエディターで記事を書くのは今までのエディター(クラシックエディター)より苦痛になるのではないか?」と感じてしまっていました。当時のブロックエディターで可能な機能は、魅力的な記事を書く上では少なすぎると判断し、ブロックエディター対応と言っても魅力を感じなかったのでした。「WordPress 5.0 が実際に公開されてからブロックエディターは使いやすくなったのかを試してからでも良いのでは?」と思ってしまったことで、2018年12月までテーマ変更を、ずっと検討と言う状態のまま問題を先延ばし続けてしまいました。

Not Wiz 内でテーマを作らない理由

個人で使うにしても、業務で使うにしても、テーマを開発することに時間を割いてしまうと、テーマ外(サイトの文章ライティング、イラスト制作や写真素材の選択、プラグインの開発…など)の作業に費やす時間が無くなってしまいます。可能な限り、テーマ外の作業時間を確保したいことを考えているのが、自分たちでテーマを作らない理由です。

すべて自分たちでやるのは、凄く時間が掛かってしまいます。記事が無いブログには誰もアクセスしないと思います。そして、テーマがないから記事を書けないを言い訳にして、ウェブサイトを公開できないのも避けたいことでした。またブロックエディターと言う新しいエディターにどのようにして対応すれば良いのかなど、テーマを制作することを覚える時間的コストを考えると、テーマを作ることが記事を書けない言い訳になってしまう危機感もありました。

何故、Snow Monkey を選んだか

国産の日本語テーマというのは、海外と比べては少ないイメージがあります。しかし、実は安いものから高いものまでライセンスのことなども考えずに数えた場合には 1,000 を超えるくらいの豊富な数が存在しています。そんな豊富な数がある国産の日本語テーマの中から、何故 Not Wiz では Snow Monkey を選んだのでしょうか?

様々な理由が選ばせた

国産で良質なテーマを探し始めた 2018年11月辺り では、 Snow Monkey はあまり有名ではありませんでした。検索にも引っかからないマイナーな存在でもありました。他の国産テーマにも埋もれていた存在だったと思います。

しかし、そんな有名な国産テーマのほとんどは、 WordPress コミュニティが選択している「100%GPL」と言うライセンスになっていません。その為、いくら有名なプロブロガーが使っていたり、便利だと言われ続けていても「100%GPLでない限り、本気で WordPress をやる場合は使えない。絶対に後悔する」と言うことから、それらは検討対象から除外しました。

しかし、マイナーな存在だった Snow Monkey を選んだ理由は、そんな理由だけではありません。

  • まさに100%GPL( javascript や SCSS もすべて)
  • WordPress5.0 に正式に対応を始めていたこと
  • ブロックエディター(Gutenberg)に、早期から対応を始めていたこと
  • 共感できる設計思想
  • 勉強しやすい構成(分散されたライブラリ構造)
  • 業務でも使いやすい上品なデザイン(Basis と言う独自のCSSフレームワーク)
  • ノーコーディングでのカスタマイズのしやすさ(カスタマイザー)
  • サポートの充実度(公式サポートフォーラム)
  • 他のユーザーと繋がることが可能なオンラインコミュニティ(現在は slack)
  • 重い処理などが入っていないシンプルな構造
  • 無茶な拡張処理が無いので、プラグインと競合することも少ない
  • 試用が可能
  • テーマと使うことで書きやすくなるオリジナルブロック(Snow Monkey Blocks)
  • 魅力なテーマ専用プラグインも存在(Snow Monkey アドオン)

と言った、様々な理由からです。

上記にも書いたように、2018年12月当時の Snow Monkey は知名度があまり無かったので、当初はここまで便利ってのは知りませんでした。実際にソースコードを見たり試用をしてみた結果「これは予想以上に便利なテーマで、しかもカスタマイズが解りやすい!」と気付かされました。

実際に使ってみて

Snow Monkey を実際に使ってみた最初の感想は、「何が便利なのか解らない」かもしれません。しかし、それが Snow Monkey の良さでもあるのです。

真っ白なキャンバスから、はじめよう

Snow Monkey は、テーマが余計なページを作るなど一切しません。デフォルトの WordPress でテーマを入れると、記事一覧だけが並ぶだけのシンプルな構成で表示されます。それは、自分色に染める為にある、まるで真っ白なキャンバスです。

まずは、カスタマイザーで

最初は「設定が難しそう」と言うイメージがありましたが、管理画面からカスタマイザーを開けば、ノーコーディングで多くのカスタマイズが簡単にできることに気づかされます。

当ウェブサイト「Not Wiz Grimoire」も、まずは真っ白なキャンバス状態から、カスタマイザーで大まかな設定を行った程度で設定を完了させています。設定は本当にノーコーディングです。それはヘッダーやフッターの基本的なウェブサイト構成をプレビューを見ながら簡単に設定を行えるからです。

トップページは、ウィジェット

次に Snow Monkey のテーマに用意されたウィジェットを使うことで、わずか1日でウェブサイトの表紙となるトップページも綺麗な形で制作を完了させることができました。これもほぼノーコーディングでした。(旧ウェブサイトのことです。今の当ウェブサイトは Snow Monkey Blocks と、独自のカスタマイズでトップページを生成しています)

今の Snow Monkey では、ウィジェットではなく Snow Monkey Blocks に用意されたブロックでトップページを組む方が良いです。その場合でも、ノーコーディングで、ブロックを組み合わせる、またはブロックテンプレートから貼り付けるだけです。すぐにトップページを作ることが可能です。

「簡単!快適!短期間!」で、準備完了

ウェブサイトのデザインがそのような短期間で綺麗に作れてしまったことは、ウェブサイト制作歴が長い Not Wiz でも過去最短だから驚きでした。

サクサクと、記事執筆

Snow Monkey では、ウェブサイトを立ち上げた後にも綺麗な記事を書ける環境として、テーマと同時にインストールして使う事で便利に記事を書ける Snow Monkey Blocks も用意されています。それを使用することで、ストレスフリーに執筆に専念し、実際に2日で10記事ほどを書いた上で公開をすることもできました。

結果

WordPress を導入した3日後 にはアドベントカレンダーに記事を公開するだけでなく1つのウェブサイトとして立ち上げることができていました。

後悔したこともありました

Snow Monkey は、年間サブスクリプションと言うサービスです。サブスクリプションをしていると、早期特典として有料アドオンプラグインが期間限定で無料プレゼントもされることがあります。もし私が早期にサブスクリプションをしていたら、いくつかの有料アドオンプラグインを無料プレゼントされていたのでした。そのことは、早期にサブスクリプションしなかったのを後悔してしまう理由になりました。

ケミ

現在なら、すべての Snow Monkey アドオンも使える + プライベートサポートもある プロプラン があるので、Snow Monkey アドオンを個別で購入するよりお得になるかも。検討してみるのも良いと思います。

Snow Monkeyとの出合い後…

Snow Monkey と出合った後のことを振り返ってみます。

100%GPL は、勉強も可能なライセンスです

「100% GPL」とは「PHP のコードのみではなく、その派生物に含まれる JavaScript・CSS・画像・音声ファイル・アイコン・フォントなどすべてのアセットに対して GPL または GPL 互換ライセンスを採用すること」です。

「100% GPL」とは | WordPress.org 日本語版

100% GPL」と言うライセンスは、WordPress コミュニティが選択しているライセンスです。

海外のテーマとかプラグインは、開発用のリソースは配布されていなかったり、build(ビルドとは違う読みにくいコードに圧縮などを故意にする行為)されていたりと言うすべてのソースコードを公開していない形のものも多いです。それでもオープンソースや GPL と言っているのもあります。アクティベートキーが無いとビルド出来なかったり、一部のソースコードがサーバ経由にされていたりもします。中には「サポートするなら金をくれ」なものもあります。

しかし、Snow Monkey は 100% GPL と言うライセンスで公開されている為、誰でも自由に改造や修正も OK なプロジェクトです。改造や修正、またはそこから自由に新しいものを開発しても良いと言う楽しさや面白さも有るのは素晴らしいことです。

Not Wiz では、Snow Monkey と出合った後にはいくつかのサポートをいただいた上で、そのようなプロジェクトを「せっかくだから」と、サポートされただけで終わらせず、きちんとソースコードを読み、改造し修正し実行させたりしました。結果、それは少しずつテーマのカスタマイズやブロック開発の基礎を覚える勉強の成果にもなりました。

Snow Monkey Blocks では、1つ1つの Block の構造が1ディレクトリで分かれていたり、PHP などのディレクトリ構造も解りやすく、静的ブロック、動的ブロック、またサーバサイドと言った種類のブロックも1つ以上ありましたので、ブロック開発の参考になると思われるブロックとしても、かなり種類があります。アラートとか簡単そうなブロックもある為、基礎から勉強し始めることができたのです。

プルリクをやりたくなってしまった

そのような Snow Monkey Blocks で勉強を続けたことで、緩やかにブロック開発に自信がついてきました。そうなると、勉強した事を当ウェブサイトだけ便利にする為に使うだけじゃ収まらなくなっていきました。

そうだ!Snow Monkey公式に、改造・修正した機能を追加してもらおう!

と言う決意が生まれました。

しかし、「本当に自分のコードを追加してもらう為にリクエストして良いのか?」など、少しの間は躊躇していましたが、「リクエストして無理だったらその時にまた考えればいい」と言う気持ちで、修正内容の追加をリクエスト送信(プルリク)しました。その結果、そのプルリクを通して Snow Monkey 作者のキタジマさんから様々なコメントや、リファクタリングを頂き、結果として色々勉強することもできました。

実際に、本記事の公開日(2018年12月21日)の何日か前に、Snow Monkey Blocks が バージョン2.1.0 になりました。「カテゴリー一覧」ブロックと「星評価」ブロックが追加されています。キタジマさんの方で良い形に調整していただいてはいますが、その基であるソースコードは私(ケミ)が書いたものです。

貢献者の一覧に名前まで載せていただいてしまい、申し訳ないやら、何とやら…と言った結果もあり、嬉しさも100%でした。

餌は気軽に与えられる、構えは要らない

構えなくても、気楽な気持ちで開発の協力が出来るように、扉もオープンしてくれているのが Snow Monkey です。もし「興味あるけどプルリクって怖いな」とか「開発方法は解らないけど要望したいな」と言う方は、オープンコミュニティやサポートフォーラムで意見の交換も可能です。Snow Monkey と言うプロジェクトでは、そういった場合でも安心してできるはずです。

ケミ

不具合報告や要望も、Snow Monkeyを良くするキッカケ。

餌の与え方は、人それぞれ。

ウェブの中の、愛すべき猿へ…

ソースコードを読むにつれて、色んなことを覚えていけるようになったり、サポートフォーラムの書き込みを見て「ウェブ制作のお客さんも似たような事で困ってないかな?」とか考えられるようになったり。

もっと色々、猿(Snow Monkey と言うプロジェクト)と一緒に進化していきたいと考えています。私にとって、いつの間にか Snow Monkey は、WordPress の楽しみを何倍にも増やしてくれている存在になってしまいました。こう言う体験って他のテーマやプロジェクトだと体験できなかったと思います。

Snow Monkey は、今この瞬間も私の中では ウェブ内で一番愛すべき猿 として進化し続けているのです。

この記事の筆者

Kmix39(ケミ)

電子の妖精。当ウェブサイトの記事制作などを行なっています。
金融・不動産・医療・教育などの数々の業種のシステム開発を経験を積み、スマートフォンアプリケーションと WordPress などのウェブアプリケーションを日々勉強中。