【追ってみた】アクセスカウンターが衰退したネットの歴史

キリ番の報告や踏み逃げ、かってのインターネットにはそう言った文化がありました。
何故、その文化は廃れていったのか?いつ頃廃れ始めていったのか…
当時のネット文化にも詳しい専門家とも対談し、その歴史を追ってみました。

アクセスカウンターが登場したのはISDNよりはるか前

1990年代の後半、1995年頃に日本でもWindows 95が出て、コンピュータは一気に日本でも庶民の持ち物になり出した。1999年頃には24時間繋ぎ放題のISDNなどの通信サービスが登場し、誰でも繋ぎ放題なインターネット時代が幕を開けた。
そんな誰でもインターネットの時代よりはるか昔からアクセスカウンターと言うのは存在していた。

アクセスカウンターが登場した理由と時代

登場した正しい時期などは明確ではないようです。
しかし、インターネットが始まってそう時間が経たない時に海外では既に生まれていました。
CSSやJavascriptが無いようなテキストだけを見せるインターネットの時代に、どれくらいこの資料が読まれているのかをカウントする為にあったのが元々の理由と、専門家は言っていました。

雪々南

ページアクセスしたらdatファイルみたいなファイルに記録された数字を増やして表示させるような仕組み。その後もずっとその仕組みでアクセスカウンターは作られ続けていたんだって。

カウントしていた大きな理由は、容量の削減や回線網の最適化だったそうです。
誰も読まない、アクセスしないページのファイルを削減したり、読まれすぎているファイルは他のサーバにもコピーを行い、コピーサイトと言った所で公開したりを行なっていました。

雷々北

当時は今のような大容量とかじゃなくて、1メガバイトでも何万円の時代。テキストだけの1ページでも凄くコスト削減が出来たからそう言う無駄を減らしたかったって事だよね。コピーサイトと言った文化って、その後クラウドとか出るまで続いてましたよね。

当時、アクセスカウンターが人気だった理由は?

InternetExplorer 4やNetscape Navigatorと言ったブラウザが登場して、スタイルシートやJavascriptがどんどん出来るようになり、アクセスカウンターと言うのは廃れるどころか、人気のガジェットになりました。

人気が出た理由

当時のインターネットは、ホームページビルダーやFrontPage Expressと言った商品も登場して誰でもホームページ(Webページ)を作れるようになっていましたが、現在のようにCGI(動的なシステムのようなもの)が普通に動作するサーバはあまり無かったように思います。
HTMLと画像リソースなどを置けるだけのレンタルサーバや、テキストを書ける・画像を3枚まで貼れるだけと言ったテキストダイアリーサービスが普通に多かったです。
デザインやテンプレートもレンタルしたサーバが決めていたものしか使えないと言う事が普通でしたよね。

CGIが動くサーバであれば、アクセスされた時に保存している数字を1増やせばアクセスをカウント出来ますが、そう言ったサービスの場合は、それが出来ません。
本当に見てくれているのかってそのままじゃ知る事が出来なかったんですね。
だからアクセスを見たい人間が揃ってアクセスカウンターを使い始め、それをキッカケに人気が出るようになりました。

アクセスカウンターの当時の仕組み

雷々北

でも、何でそう言うサービスでもアクセスカウンターは動かせたの?動かせないんじゃないの?

アクセスカウンターは、当時もの凄くレンタル会社が多かったのです。
そして動作できた理由が…画像を埋め込んだから!

雪々南

えっ!?アクセスカウンターを画像と同じように扱ってたって事?

そう。どう言う仕組みかと言うと、その画像を読み込んだら、アクセスカウンターのサーバの方で数字が1つ上がった画像を作って、それを返されるって動作をしていたワケ。
その画像を表示していたから、ページを見る人はアクセス数が表示されている画像を見れたって事です。

雷々北

なるほどー。画像として表示させていたからCGIが動作しないサービスでもアクセスカウンターが流行ったんですね。

そして、レンタルサービス黄金期

アクセスカウンターは画像で表示されている事から、どのようなサーバでも気軽に使う事が出来ますから、当時のアクセスカウンターのレンタルサービス企業と言うのは、そう言ったアクセスカウンター自体のレンタル料金で儲けていました。

元同僚のTさん

私の会社もレンタルやってましたけど、カウンターの画像の種類とかキラキラ感とか自作カウンター画像が使えると言ったサービス差別で競合をしていました。

しかし、Dynamic HTMLが主流になるにつれ、レンタルサービス会社の競合は増えていく事になります。

元同僚のTさん

ブラウザのアップデートとかで一気にscriptタグで色んな事が出来るようになって…。それによって、広告が入れられるようになったりした事で、当時は無料レンタルサービスも一気に増えました。他には、Dynamic HTMLと言った影響で、同時代に出始めたブログサービスでもブログパーツと言う形でアクセスカウンターが付けられるようになりましたよね。

広告によるレンタル収益化と言った目的で、企業などもアクセスカウンターをホームページの人気ツールとして紹介。そうする事でますますアクセスカウンターは世間の人気になっていきました。

キリ番・踏み逃げ…も生まれた

ホームページの人気ツールとして紹介され始めたアクセスカウンター。
ただの設置例だけではなく、当時の遊び方の1つとして紹介された「数字と同じ結果で占うアクセスカウンター占い」など、多くのネタも紹介されました。

Kmix39

アクセスカウンターを設置すると、数字だけじゃないコミュニティが生まれるみたいな記事、結構ありましたねー。

元同僚のTさん

そうですねー。そんなコミュニティ文化からキリ番が流行り出しましたし、その報告をしない人に対しては、踏み逃げと言うようになったりしましたね。一種のネットマナーとまで発展しちゃっていました。

キリ番になるとアクセスカウンターからキリ番報告フォームがポップアップする等、そう言った異種も作られていました。

売り上げは10億を超えていた!?広告ブーム

Javascript以外にFlashをふんだんに使用したアクセスカウンターも誕生し、アニメーションでの数字を表示したりと言ったアクセスカウンターも増えました。
そうした中、一定時間毎に数字が広告表示に変わる広告型アクセスカウンターも増え、一時期のアクセスカウンターレンタルと言うサービスの売り上げは10億以上を上回る規模だったと言います。

衰退した理由

何故、そこまで流行ったアクセスカウンターが衰退したのでしょうか?
その理由は、Dynamic HTMLから現在でも主流とされるHTML / CSS / JavascriptのWebのカタチによるアクセス解析の進化と、SNSによるコミュニティサービスや、Blogと言ったCMSが流行り出したのも一貫と考えられています。

元同僚のTさん

Javascriptを貼り付けるだけで数字を出すだけではなく、アクセス解析が出来るアクセスカウンターも大きく増えていました。

アクセスカウンターが設置されていたのはHTMLでのタグ打ちによるテキストサイト黄金期と呼ばれる時代だった事があり、サイト内に設置された掲示板で閲覧者同士が雑談をするようなコミュニティ文化がありました。
しかし、CMSであるブログや、SNSであるmixiが流行りだすと、サイト運営者や登録ユーザーが投稿した記事に対してコメントをするコミュニティ文化が芽生え始めたのです。
そうして、テキストサイト自体もこれまでよりアクセスが低下する傾向になっていたと言います。

Kmix39

アクセスの低さを隠すためにも、アクセスカウンターで数字を見せずにアクセス解析が出来るscriptサービスへ移り変わっていったと言う事です。

アクセス解析の重要性などは、現在もGoogleアナリティクスの利用度が非常に高い事からも解ると思います。そうして、アクセスカウンターと言った数字を表示して閲覧者と共にアクセスから作っていたコミュニティは、次第にアクセス解析と言う運営者だけが把握するツールへと時代の流れとともに消えていったと言う事です。

最後に

アクセスカウンターの時代、多くのウェブサイトはキリ番報告からの「キリ番おめでとう」や「キリ番を取った**さんのリクエストでイラスト描いてみました」など、アクセスからのコミュニケーションがありました。運営者と閲覧者だけではなく、閲覧者同士が1つのウェブを盛り上げていた時代。
しかし、キリ番報告フォームや、踏み逃げと言った強制的なコミュニケーションもありましたので決して良い事だけではなかったでしょう。

現在ではウェブサイトでは閲覧者同士のコミュニケーションが取りにくい分、SNSによる「シェア」「いいね」等により、その時以上のコミュニケーション文化が築かれてもいます。
当時のアクセスカウンターから生まれた文化が今のネット文化のキッカケになっているのかもしれませんね。

この記事を書いた人

kmix-39

kmix-39

主に日本の関西に出没する。
小学時代にWindows 95に触れ、BASICを始めて以来、HTML、Perl、Java(JSP, Servlet)、COBOL、C++、C#、PHP、Objective-C、Swift…と、数々の言語を地獄の現場を経験しながら覚えていった元IT社畜。
「好きな時に 好きなことを 好きなだけ」をしたい。